再開。

感動した。すでに、この手のFlashを見るために FF11 を続けているような気もするな。

* 【間違わないように】FF11ちょっといい話12【踏み外さないように】

元ネタ。

608 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 10:41 [ s7/NTbQ6 ]
砂丘デビューした頃に出会った、白タルがいた。
当時俺は戦士。まだ連携もよく知られていなかった頃だったと記憶している。
サポ取りも盛んで、砂丘にポップしたグールは、わいた瞬間に取られるのが常だった。
毎晩続くサレ探し。いつしか、固定メンバーが出来上がっていた。
戦戦モ白黒赤。ようやく、全員分のサポアイテムが揃った。
かなりの時間を共に過ごしたメンバーは、サポ上げも一緒にした。
初めてのジュノ行きで、2度も全滅したりした。ジュノにたどり着いた時のみんなの歓声を
今でもハッキリ覚えている。
記念にと、みんなで必死にかき集めたギルで、LSを購入した。リーダーはダイスで負け
た白タルがつとめることになった。
楽しかった。いつまでも、このままでいられると思っていた。
が、白タルがテレポを取った頃からだろうか。だんだん、お互いに距離ができていった。
原因は白タル。
元からおっとりしていた彼女は、毎日繰り返される、殺伐としたLv上げにだんだんついて
これなくなったのだ。
早く強くなりたい、早く上へ行きたい、と考える他のメンバーとの間に、いつしか越え難い
溝ができてしまった。Lv差がつきすぎてしまったのだ。
ある日、彼女は突然宣言する。
「ごめんなさい、もう、私では役に立てない。他の白さんを探して」……と。
彼女の宣言前から、他のメンバーもバラバラになり始めていた。
お互いに競うようにLvを上げ続けていた。
今、思うと、なぜあんなに焦っていたのか、自分でもわからない。
ただ、熱にうかされたようにして強さだけを追い求めていたように思う。
LSからも一人抜け、二人抜けして、ついに俺も他のLSに移ってしまった。
やがて戦士カンストジラートの発売まで、まだまだ時間があった頃だ。
当面の目標を達成した俺は、金稼ぎのために、とシーフを上げ始めた。 
609 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 10:42 [ s7/NTbQ6 ]
そしてジラート発売。シーフも58になった。
新エリアに探検に行こうと思い、いざという時に逃げやすい、シーフのままで出かけること
にした。
故郷バスに戻り、コロロカを抜け、アルテパへ。地図はない。どこに何があるのかさえ知ら
ない。
とりあえずさまよってみよう、とウロウロしていたら、偶然ルテのテレポポイントを見つけ
た。そして、もうひとつ、見つけたものがあった。……かつての仲間だった白タルだ。
彼女は白のAF装備に身を包み、ひとりでたたずんでいた。名前の横には、見覚えのある色
のLSマークが。昔、みんなで作ったLSだ。いや、似たような色のLSはいくらでもある。
だが、なんとなく、みんなで作ったやつだ、と直感した。
彼女が俺に気づいた。にっこり微笑む彼女。そしてtellがくる
「おひさしぶり。元気そうだね^^」
なんとなく気まずい思いをしている俺に気づいたのだろうか。彼女はemで悲しそうな表情を
する。
「あの時はごめんね。だけど、どうしても謝りたかったの。いつか、会えたら、あなたにだ
けは伝えておきたいことがあったの」
と言う。
テレポポイントの紫色の光に包まれながら、彼女はポツリポツリと話し始める。
あれから何があったのか。あの時何を思っていたのか。
彼女は、「冒険者」としてヴァナ・ディールの地に降り立ったのだという。当たり前のこと
だ、俺もそうなのだから。だが、彼女にとっての冒険とは、俺が考えるものとは違っていた
ようだった。
「砂丘時代は楽しかった。右も左もわからない中、みんなで考えて道を見つけ出していた」
「けれど、ジュノに行った頃から、毎日同じ作業の繰り返し。みんなに余裕がみえなかった」
「テレポ取ったから、みんなであちこち、見て回れると思っていた。けれど、みんなはLv
上げに夢中だったから……」
「私は、もっとこの世界を見て回りたかった。きっと、どこかにまだ、見てない所がある
はずだから。それをみんなと共有できたらいいと思っていた」
「みんなでラテの虹を見たときの感動、忘れていないよ。あの時の感動を、もう一度みんな
と……」
ここまで聞いたとき、ショックを受けた。
初ジュノには確かに感動した。だが、あの後、新しい世界を見て感動することなんてあった
だろうか?
初めて行く場所でも、ただの狩場としてしか考えていなかったはずだ。
この世界の世界観を垣間見ることのできる石碑でさえ、俺にとっては、巣の地図を入手する
ための、ただの面倒なクエでしかなかった。
いつから、あの頃の純粋な冒険心を失ってしまったのだろう?
みんなで作ったLS。最後まで残ったのは、黒だったそうだ。
だが、今では彼女一人きり。けれど、彼女はずっとつけ続けていたそうだ。
「だって、これは特別なLSだから。何度も他のLSに誘われたけど、断ったよ。いつ、
誰かが戻ってきても、おかえりって言えるように」
俺は恥ずかしくなった。これまで、ずっと彼女のことを忘れていたのだ。もちろん、他の
メンバーのことさえ。
パールもとうの昔に捨ててしまっていた。
「一人でこの世界を回って、新しいものを見つけるたびにLSで発言していたんだ。一人
言にしかならないんだけどねw」
「色んなことがわかったよ、ダボイの歴史とか、氷河にある魔法塔とサルタの魔法塔の話
とか……」
これまで誰にも聞いてもらえなかったであろう話を、嬉しそうに俺に話す白タル。
チャットウィンドウがtellの赤い文字で埋め尽くされて行く。
同時に、俺はひどくうらやましくなった。彼女の表情が、とても生き生きとしていたから。
俺がとうに失くしてしまった「冒険」を、彼女は確かに持っていた。
おずおずと彼女に申し入れる。
差し支えなかったら、もう一度、パールをもらえないか、と。
今度彼女が冒険に出かけるときは、ぜひ一緒につれて行ってくれないか、と。
ずうずうしい、身勝手な願いだということは百も承知だ。
彼女はにっこり笑うと、すぐにトレードを申し込んできた。
なつかしい色のLP。さっそくそれを装備する。
チャットウィンドウに緑色の文字が流れた。
「おかえりなさい。そして、ようこそ、冒険の世界ヴァナ・ディールへ。」